投資のはじめ方(その1)
前回の話で投資をやるべき理由は分かったから、どうやったら投資を始められるか教えて。
まずは投資の始め方の一連の流れを解説するね。8つのステップに分けて説明していくけど、長くなってしまうので今回はステップ4まで解説するよ。
投資のはじめ方(8つのステップ)
投資を始める際に以下の8つのステップを踏むことで投資が始められると考えています。
ここでの投資とは、投資初心者の方が最初の1歩として始められるよう、証券会社でNISAを活用し、投資信託をクレジットカードを利用して積立投資できるようになることを目標としています。
見慣れない単語なども出てくるかもしれませんが、一つずつ解説していきますので安心してください。
少々長くなってしまうため、今回はステップ1〜4までを解説、次回ステップ5〜8について解説します。
1.目標金額の設定
投資を始める際に、どのくらいの金額をいつまでに準備したいかを確認しておくと良いです。
仮に老後に2,000万円を確保したい場合、投資期間を30年間、投資リターンを年率4%とすると、毎月2万9千円を積立することで理論上達成可能です。(年間348,800円を単純に30年積立だと1044万円、投資の効果で元手の約2倍増(いわゆる複利効果))
証券会社のホームページ等で積立投資のシミュレーションが簡単にできますので、試してみるとよいかもしれません。
2.投資金額の確認
目標金額の設定で毎月いくらの投資金額が必要かわかったら、その金額を投資できるのがベストですが、投資にはリスクが伴いますので、あくまで余剰資金で投資をすることが重要です。
月々の生活費を少なくとも半年分から1年分程度を目安に確保しておくと、余裕をもって投資をすることができると思います。
また、数年以内に支払う用途が決まっている金額についても、投資には回さないほうがよいです。
長期投資を始めたら基本的には売ったりしないと考えて、余剰資金で投資をしましょう。
3.購入する資産の選定
以下に示すグラフは1801年から2006年までの投資結果(トータルリターン)を表しています。
このグラフを見ると、株式のリターン(利益)が最も大きいことがわかります。
投資により資産を増やすことを目的とした場合、株式へ投資をすることがよいと考えられます。(その分リスクも大きいですが。)
株式投資をリスクを軽減しながら行うには、長期・積立・分散投資を行うことが効果的であり、この長期・積立・分散を行うのに投資信託に投資することが便利がだと投資かっぱは考えています。
投資信託とは、投資家から資金を集め、運用のプロ(ファンドマネージャー)が株式などに投資、運用を行い、リターンを投資家に還元するという金融商品になります。
投資信託は100円から購入できるものもあり、クレジットカードを使って毎月自動的に買付設定できるので、長期、積立投資が苦になりません。
また、投資信託は世界中の株式、全米企業の株式に連動する株価指標(インデックス)に投資をすることができるため、分散投資の観点からも有利です。
インデックスの選定
インデックス(株価指標)とは、ということですが、代表的なものでいうと以下のようなものがあります。
- 日本:日経225、TOPIX
- 米国:NYダウ、S&P500、NASDAQ100
聞いたことがあるものもあるのではないでしょうか。(聞いたことなくても全然大丈夫です。そんなのあるんだでOKです。)
例えばS&P500は米国の500社分の株価に連動した指標ですが、毎月500社分の投資資金を用意するのは大変ですが、投資信託であれば小額から500社に分散して株を購入することができます。
では、どのような株価指標(インデックス)に投資するべきかということですが、投資かっぱのおすすめの株価指標(インデックス)は下表のとおりです。
大きく分けると世界中(全世界株)に投資するものと、米国に投資するものとなっています。
全世界株のインデックスでは世界の約50ヶ国に投資していますが、投資先の割合を見ると米国が6割以上を占めています。
各インデックスの構成銘柄で上位5銘柄を見ると、マイクロソフト、アップル、エヌビディア、アマゾン、アルファベット(グーグル)あたりが入っています。
これらの銘柄は投資をやったことがなくても知っている方が多いのではないでしょうか。
これらの企業はIT系の企業であり、ハイテク株などと呼ばれています。
下のグラフは全世界株式(VT)、全米株式(VTI)、S&P500(VOO)、NASDAQ100(QQQ)の2010年9月を起点として、2024年6月までの株価上昇率を示しています。(カッコのなかはETF(上場投資信託)名を記載)
このグラフから分かるとおり、上昇率が高い順で、NASDAQ100(QQQ)、S&P500(VOO)、全米株式(VTI)、全世界株式(VT)となっています。
上昇率が高いほど先ほど挙げた米国のハイテク株の構成比率が大きく、現在の株式相場はこれら米国のハイテク株の上昇が大きく寄与していると言えます。
よって、購入する株式としては、相場上昇を支えているハイテク株を保有しながら、他の分野の株式、他の国の株式を保有することでリスク軽減を狙うのがよいと考えています。
リスク部分の話も付け加えておきますが、NASDAQ100(QQQ)のチャートを見ると、2010年からは約9.5倍の株価となっていますが、2021年後半から2022年にかけて高値から株価が約33%下落しています。
2010年9月に100万円分の株を持っていれば、(追加投資なしで)2021年11月に約820万円になりますが、そこから2022年末にかけて資産が約540万円まで下落(280万円のマイナス)しています。
そこで売らずに我慢できていれば、2024年6月現在には約950万円になっているという状況です。
リスクが大きいとリターンも大きいですが、下落した時が怖いことがなんとなくわかって頂けたでしょうか。
大きく株価が下がったときに持ち続けるのは思っているより難しく、やはりリスクの軽減が重要になります。
投資信託の選定
上記のベンチマークに連動する投資信託として、投資かっぱのおすすめは下表のとおりです。
投資信託を選ぶ際は、純資産額が大きいもの、信託報酬の小さなものを選びましょう。
純資産額は投資信託に投資されている資産額を表しているので、金額が大きければそれだけ多くの人が投資をしている(人気)ということになります。
また、投資信託では販売手数料・信託報酬・信託財産留保額の3つの手数料が発生しますが、ここで挙げた投資信託は現時点で販売手数料・信託財産留保額は0となっていますので、手数料については信託報酬に着目してください。
リスクをとって大きく資産を増やしたい方はNASDAQ100、リスクとリターンのバランスを取りたい方はS&P500、米国集中投資が怖い方は全世界株に連動した投資信託を購入するとよいと思います。
投資初心者の方はNASDAQ100への投資は、S&P500や全世界株の投資をやってみて慣れてから(20〜30%程度の資産の下落を経験してから)やってみることをおすすめします。
あるいは、NASDAQ100に30%、S&P500に70%など投資割合を下げて投資してみるとよいかと思います。
4.資産比率(ポートフォリオ)の検討
投資におけるポートフォリオとは、投資資産の構成(組み合わせ)を表しています。
初心者の方におすすめのポートフォリオ(資産の組み合わせ)は投資信託70%、現金30%です。(あくまで目安ですので、リスク許容度に応じて比率は調整して頂いてOKです。)
現金を手元に残しておくことで、なんとかショックのような大きく株価が暴落する場面において、投資信託を買い増しすることができますし、なにより心の安定につながります。
ちなみに投資かっぱのポートフォリオは、株式60%、コモディティー20%、現金20%程度を目安に構成しています。
有事の際には金が上昇しやすく、インフレ局面ではコモディティーが上昇しやすいなどの傾向があります。
投資に慣れてきたらリスク分散のためにコモディティーを追加したいところですが、最初の一歩としては考えなくても大丈夫かと思います。
まとめ
今回は、投資のはじめ方の8つのステップうち、ステップ1~4を解説しました。
ステップ1~4の項目は下記のとおりです。
今回の内容を踏まえ、投資のはじめ方(その2)をご確認頂き、実際に投資をはじめてみてもらえたらと思います。
難しかったw
まずは月3万円からS&P500連動の投資信託に投資してみようかな。次はどの証券会社にするかだね。
まずは無理しない程度に投資してみてね。
次回はおすすめの証券会社、クレジットカード、ネット銀行について説明するよ。